概要
Borvik et al. (2009)のアルミニウム5083-H116の板に硬い貫通弾を衝突させた実験の再現解析の事例を示します。
アルミニウム板は2D 軸対称でモデリングをしています。また、MAT 107(MAT MODIFIED JOHONSON COOK)を使用しています。
アルミニウム版の衝突部にPIN HOLE(貫通弾が突き抜けるための小さな孔)をモデル化し、要素の破断設定(EROSIONクライテリア)なしで、解析を行います。EROSIONクライテリアを設定する必要がないことがPIN HOLEモデリングの最大のメリットです。今回、PIN HOLEの半径は0.025mmです。図1にPIN HOLEのコンセプト、図2に解析の概要を示します。
図1 PIN HOLEのコンセプト
図2 解析モデル概要
結果
図3にアルミニウム板の厚さ30mmの結果を示します。横軸は衝突速度、縦軸は貫通弾の貫通後残留速度です。解析結果は実験結果を良く再現しています。
図4と図5に解析動画を示します。また、図6に実験と解析のアルミニウム板の断面図を示します。変形状態の特徴が良く捉えられています。
図3 衝突速度-残留速度関係
図4 アルミニウム板の厚さ30mm(衝撃速度305m/s)、相当応力(MPa)
図5 アルミニウム板の厚さ30mm(衝撃速度319m/s)、相当応力(MPa)
図6 アルミニウム板の厚さ30mm(衝撃速度319m/s)、実験(上)と解析(下)の鉄板断面図
参考文献
Borvik T, Forrestal MJ, Hopperstat OS, Warren TL, Langseth M, Perforation of AA5083-H116 aluminium plates with conical-nose steel projectiles – Calculations, International Journal of Impact Engineering, 2009, N. 36, pp. 426–437.